塗装面などの劣化(爆裂・露筋)
壁面をよく見てみてみると、壁の途中から「茶色い雨垂れ」のようなものがありませんか。
もしくは、塗装面やコンクリート面が不自然に浮き出ていませんか。
それらは「爆裂(ばくれつ)」といって、コンクリート内の鉄筋が錆びて、その錆汁が表面に出て来ているものです。
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爆裂。錆汁が確認される。部分的に表面コンクリートが剥落している。
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爆裂。線状に塗装面が浮いているが、鉄筋がある場所と思われる。
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爆裂。塗装面が不自然ならば打診棒で確認する。
元々新築時のコンクリートは「アルカリ性」であり、中の鉄筋は錆びずにいられます。
しかし雨水や外気で劣化したコンクリートは、徐々に「酸」を帯びてきて「中性化」します。
この影響を受けた鉄筋は錆び始め、コンクリート表面から錆汁が出てくるのです。
打診調査を行うと、コンクリートが浮いていることもあります。
又、表面コンクリートが浮いているだけでなく、膨張した鉄筋により剥がされて鉄筋が現れる事もあります。
これを「露筋(ろきん)」といい、爆裂が進行して起こった現象です。
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露筋。コンクリートは剥落している。右側もコンクリートが浮いている。
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外壁の露筋。これだけ露筋があれば、付近の爆裂もくまなく調査すべき。
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庇の上裏に発生した露筋。露筋の延長線上に爆裂が続いている。
足元のコンクリートが剥離する分には危険性が低いですが、例えば上階の壁面でこの様な劣化が起きれば、コンクリート片が下部へ落下し、第三者災害を引き起こす危険性が生まれます。
錆汁が表に出てきていない、潜在的な爆裂もあります。
疑うべき場所はくまなく打診調査で確認していきましょう。