大規模修繕工事を成功させる「駐車場への足場組立」

駐車区画に足場を建てるには?

駐車区画に足場を建てるには?

 

大規模修繕工事を行う際は、建物周りに直接仮設工事としての鋼製足場ゴンドラが必要になってきます。

 

一方、マンションの敷地内にある駐車区画は、よほど広大な面積を有していない限り、建物の近くに存在します。

 

マンションによっては、建物沿いに駐車場があり、車と壁の間を人が通るか通れないかというのも珍しくはありません。

 

そういった建物で、仮設足場の為に駐車場を移動させなければならない場合、敷地内の全ての区画の車を移動していただく事が最善の策です。
工事をする側も居住者の方々の車を汚したり傷付けたりする心配がなくなりましすし、居住者の方々からしてみても、自分たちの車が汚されるなどの心配をしなくて済みます。

 

先ずはそれが可能か否かを施主(管理組合など)に問い合わせてみます。

 

そして、どうしても敷地内の全区画を外部に移動することは出来ない(予算の都合、近隣に移動可能な駐車場が少ない、どうしても遠くの駐車場に徒歩で行くことが出来ないなど)場合は、優先順位をつけて敷地内に残す車を決めます。

 

 

先ず残すことの出来るのは、全く工事の妨げにならずに済む車です。

 

作業用の足場も立つことがなく、建物にも入ることもなく、工事車両が通行することがない場所は、移動する必要がまずないので悩むことはありません。
強いて言えば、工事で出るホコリや、足場のシートの隙間から出てくる塗料などが付着する可能性は考えられます。
そのような可能性があるという事は、施工業者とマンション側で充分協議します。

 

次に可能なのは、ピロティ内の区画です。

 

内部が吹抜けになっている場合別ですが、基本はピロティ内に足場が立つことはありません。
クリアすべき点は、ピロティ出入口の確保です。
出入口のみ足場を架けず開口にし、上部に朝顔等の落下養生を施し、通行車両の安全を確保します。

 

その次に残せるのは、一時期のみ駐車不可になる区画です。

 

足場工事では、部材を運搬するトラック・ユニック車や、部材や地組みしたユニットなどを揚重するラフタークレーンを入場させます。
又、防水工事でも、屋上へ防水材を揚重するためにラフタークレーンを入場させることがあります。
これらが敷地内に入る期間は、対象になる区画の車は、外部の駐車場、又は敷地内の妨げにならない場所へ一時的に移動することになります。
が、それ以外の工事期間は、普通に駐車することが出来ます。

 

 

しかしながら建物に隣接している場合や、常時車両の通行の妨げになると思われる区画の車は、必然的に外部の駐車場へ移らざるをえません。

 

施工者は、どの区画が止められなくなるか、一時的に移動しなくてはならなくなるかを、誰でも分かるように図示し、プレゼン時や工事説明会の時に理解してもらわなければなりません。

 

図を用いての口頭説明だけでなく、工事用掲示板でも移動が必要な区画と、外部の替わりの駐車場の位置を詳細に説明します。

 

そして工事着工数日前から契約し、着工直前日だけでなく、数日前から移動することが出来る様にします。

 

なぜ着工前に数日間の余裕が必要なのか。

 

それは着工前日にのみ移動出来なくなると、その日に車の移動が出来ない居住者の方は、どうしようもなくなります。
それを避けるために、早い時期からお知らせをし、着工日前の数日間は移動日として代替駐車場の契約を取ることが望まれます。

 

人によっては、「2、3台ならともかく、かなりの数の駐車場を、余裕を持って借りると駐車場代がもったいない」とおっしゃります。
でもなにか問題があって、着工日に車の移動がされてなく、足場工事が出来ない状態を考えると、相応の対策は取るべきと思います。

 

代替駐車場は、止める区画さえ守ればどの車が止まっても問題ないという所がある一方、事前に駐車する車両の情報(車種・色・ナンバーなど)を提供しなければならないこともありますので、駐車場契約時に早めに対応します。

 

 

最初に述べた通り、大規模修繕工事の際は、敷地内の全車両が外部へ移動することが理想です。

 

しかしそれが出来る場合はあまりありません。

 

マンション側と施工業者が密に話し合い、最善の方法を決めて頂ければ幸いです。


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