車に付く塗装は上からだけではない!
塗装工事を行う場合、その付近に駐車してある車にビニールや不織布製のカーシートをかけて、塗装の付着を防ぎます。
ホコリや塗装が飛ぶ工事を行う時にはカーシートをかけるというお知らせもし、その通りにしっかり養生して工事を進めていきます。
そんなある日、そこに駐車してある車の持ち主である居住者の方から、「塗装が飛んできて車に付いてるのですが・・・」という問い合わせがきます。
(そんなばかな。塗装を始める前に間違いなくシートをかけている車に塗装がつくなんて。) その時点で考えられる原因は、
●シートに穴が開いていた。
●アンテナが引っ込んでいない箇所へ開けた穴から塗料が入り込んだ。
●シートに付着した塗料が乾燥する前に、誤って裏返しに車にかけてしまった。 などです。
塗料が車に付着すると、もちろん持ち主に謝罪した上で、施行者の負担で修理に出さなければなりません。
今の時点では、お車を確認するのが先決なので、一緒に車を見に行きます。
確認すると至るところに付着しており、確かに今回の外壁塗料の色のようです。
でも何かが違う・・・
何が違うか。 通常、付着する塗料と、形が違うのです。
通常は、足場のメッシュシートの間を縫って、飛んできた塗料は、「丸や楕円形」、自動車の側面などの場合は「線状」になります。 しかし今回付着している塗料は、割れたカケラのように角ばった形状をしているのです。
そこでやっと、養生材(マスキングテープやマスカーなど)を撤去する際に、養生材に付いて乾燥していた塗料がヒラヒラ飛んで、車に付着したものと判明しました。
液状の塗料が付着し完全に乾燥した場合はなかなか取れにくく、自動車工場に出すことがほとんどですが、カケラが付着した場合は、すぐ対処すれば水洗いで除去できます。
よって今回も了解を頂き、水洗いをさせてもらったら、ほぼ除去できました。ワイパーなどの隅に溜まったカケラもキレイに拭き取り全体を見渡すと、片手で数えるほどのカケラがまだ残っていました。
指で削るとキズが付くかもしれないので、経験豊富なかたにアドバイスを乞いました。
「水を流しながら、粘土で軽くこすってみて。」 所有者の方に了解を頂き、行ってみるたところ、キレイに取れました。そうして所有者の方に謝罪して引き渡しました。
塗装が終わって、養生材に付いてパリパリになった塗料は、養生材の撤去の仕方次第で沢山空中に舞い散ることもあれば、そんなに散らない場合もあります。
付近に車があることをしっかり意識して、作業を行うことで、工事がスムーズに進みます。
・・・と、話はここで終わらず。 後日、強風の日に地面を見てみると、例の塗料のカケラが宙に舞っているのを目撃しました。
毎日、清掃はしているのですが、掃き切らないカケラなどが少なからずあることが分かりました。これらも少なからず車に付着して、クレームの対象になると思います。
今回の件での教訓は、
●塗装の養生材を撤去する際は、飛散を意識して行う。
●塗料の除去方法を学び、自分の車などの見えないところなどで、塗料除去試験を行う。
●色んな場面を想定し、事前に「お知らせ」にて周知徹底する。
●しっかり清掃する。
です。
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