見やすい「工事用掲示板」にするには?
大規模修繕工事の工事説明会(「工事説明会の上手な進め方」の記事はこちら)も無事に終わり、参加された居住者の皆様には、工事の内容はある程度理解して頂けました。
そして議事録も作成し、説明会の資料と共に参加されなかった居住者の皆様への配布も行いましたら、ここからは、主に工事用掲示板によって居住者の方々と連絡を取り合います。
先ず、工事用掲示板を設置します。
場所があるなら、ホワイトボードを1~2台用意し、「○○マンション大規模修繕工事 掲示板」
という風に、工事用の掲示板であることを明示します。
掲示板は面積が大きい方が、色々な「お知らせ」を貼り出すことが出来ます。
「工事のお知らせ」の他に、 「洗濯物の可不可表」、「今日の作業、明日の作業」、「週間工程表」、「工事の進捗状況」、「仕上げのイメージ図」、「アンケートのための仕上げ材料貼り出し」等も行います。
ホワイトボードを工事用の掲示板にする一番の利点は、磁石が付く事です。
「お知らせ」 を磁石で付けられますし、板状の磁石を使って紙以外の様々な物を貼り付ける事が出来ます。
洗濯物が干せる日を青、干せない日を赤という風に色磁石を利用して洗濯可不可表を作る事も出来ます。
尚、ホワイトボードを設置出来ない時は、プラダン(プラスチック製の段ボール。養生に使うことが多い)を厚みのある両面テープや、養生テープで壁面に貼り付け、それを掲示板にする事も出来ます。
この場合、お知らせ等を貼り付けるのには、養生テープや両面テープで四隅を留める、またはクリアファイルなどを用いて抜き差しができるようにします。
又、磁石を使用したい箇所には、部分的にスチール製の板を貼り、そこに磁石を使用する様にします。
ホワイトボードにせよ、プラダンにせよ、設置できる場所に余裕があれば、掲示板の面積を大きくして、
「工事のお知らせ、工程用」
「アンケート実施用」
「工事中のお願い用」
として、目的ごとに見やすく掲示するのも、居住者の視点に立つという気持ちの表れになります。
お知らせの大きさですが、A4サイズのお知らせが一般的ですが、年配の方が多いマンションでは、B4やA3くらいの少し大きな用紙にし、文字も大きくすれば、細かい字が読み辛い方にも楽に見て頂けます。
<写真>
工事用掲示板。エントランスが狭いなどの都合で、外部に設置しなければならないこともある。その場合は雨が降っても大丈夫なように養生する。
そして一番気を付けなければならないことは、
「工事の掲示板が施工会社の連絡ボードになっていないか?」ということです。
「工事のお知らせ」をとっても、「工程表」をとっても、工事関係の人間しか分からない言葉の使い方では、居住者の皆様は何のことか分かりません。
これでは、なんのための掲示板か分かりません。
そうならないためには、出来るだけ居住者の皆様にも理解して頂ける様、極力専門用語を使用せず、どなたにもわかる言葉で置き換えて文章を作成しましょう。
●爆裂 (コンクリート内部の鉄筋が錆びて膨らみ、表面のコンクリートを押し出している状態)
●露筋(爆裂部分のコンクリートが剥がれ落ち、錆びた鉄筋が見えている状態)
●斫り (はつり:劣化したモルタル、コンクリートを電動ピックや「のみ」等を用いて削り取る事)
という説明を入れたりという具合です。
最近は建物の修繕についての書籍も沢山出版されており、ネットで検索しても様々な情報を見る事ができ、ご自分で勉強されてる方もおられます。
しかしそうでない方のほうが大多数です。
そういう方にも、分かりやすく伝える事ができれば、工事に対する親近感も感じて頂けるのではないでしょうか?
掲示板は、普段頻繁に会うことがない居住者の方ともコミュニケーションをとる事が出来る手段です。
ただの連絡板にするのではなく、皆さんが近づく事が出来るツールとして最大限活用し、見ている方々にも、「この人たちに任せていれば大丈夫。」 と思われる掲示板作りをしていきましょう。